ビー玉

まだこんなに甘かったのか

空からの飲みもののような

ラムネラムネラムネラムネ

その瓶に散らばる光粒さえ

まだこんなに甘かったのか

 

らるごらるごと喉を鳴らし

らるごらるごと飲み乾せば

ここぞと偶然目合わせてた

らるごらるごと喉を鳴らし

らるごらるごと君ごと輝く

 

持って帰って取り出すんだ

君側の手にラムネの空き瓶

うるさいくらいビー玉転げ

そっと横顔見るのもできず

そっぽ向くよに空見ていた

 

夜店の灯かりがそろっても

集まりつづける流れる人々

ハナビハナビハナビハナビ

僕とふたりきり夜に来た君

振りかえる仕種が似合う君

 

ひゅうるひゅる打ち上がり

ひゅうるひゅる砕け散れば

熱気の海から顔を出すだけ

ひゅうるひゅる打ち上がれ

ひゅうるひゅる空ごと輝け

 

ラムネの空き瓶すべり落ち

ラムネの空き瓶砕け散れば

君からくれた湿った手の平

ひゅうるひゅるビー玉転げ

ひゅうるひゅるビー玉輝け