一九九九年四月二十四日

小雨が降ってる

赤信号が点滅してる

横断歩道を

横に並んで

渡ってる

鳥が鳴いてる

走り出したい

前を向いたまんま

笑い合ってる

白線を

落ちないように

歩けない

もうあの頃の

あの時のようには

素晴らしいことなど

起きないと

こころの中で

思ってたけど

僕にはこの頃

飲んで歌える

友達がいる

 

恋したいって

言ったのは

淋しいだけと

知らないくせに

教えてくれた

きっとそうだな

そう言えば

そう思えたり

するもんだ

 

何が辛くて

何が楽しい

いろいろあるし

なんにもないし

そんなのどうでも

いいとも言える

それじゃあだめだと

言えなくもなく

今は雨など

気にならないんだ

 

なにもかも

小さなもので

始まると

思えば案外

希望で始まり

希望で終わる

そういうもんも

あるもんだ

ずっと遠くが

迫り来るのと

今それぞれで

向かい合うけど

ずっと遠くは

まだないものと

笑い飛ばせる

瞬間はある

飲んで歌える

友達がいる

 

眠らないまま

夜を明かせば

なんだか少し

涙もろくて

泣いたりなんか

しないけど

ただ少しだけ

そんな気持ちを

思い出したよ

今新しく

生まれたんだと

思えば空が

雲の向こうで

明けてるみたい

 

僕の中には

形のない

ものがまだまだ

残ってる

誰もが持ってる

ものなんならば

そのひとつひとつを

見せ合って

話をできる人間が

僕以外にも

いると思う

そう思わせてくれたのが

友達なのかも

しれないな

 

僕にはこの頃

飲んで歌える

友達がいる

そうすることが

楽しいと

思える奴等が

今はいる