雨の詩

空だって地べたにあれば

ひとかけらでも許されるのに

もったいないほど広いのは

何かのためじゃないんだとして

もったいないほど広いのが

僕は好きで仕方ない

 

僕のこころも負けずにひとかけら集めて

いつかはでっかく空色に見えて

それでも見えない何かを余らせ

溢れるくらいの 海なるくらいの

雨を降らして

白い雲も 灰色の雲も

流れる血みたいに 夕暮れみたいに

真っ赤に燃やす

時々 時々

包み隠さず まんまるく

薄っぺらでも 終わりなく

まだ見つかってない星もすべてが

この中にある

生まれて間もなく生まれ始めて

いつかはきっと見つかる星が

すべてがすべて

この中にある

そういう気持ちで

生きるなら、ありたいと思う

 

あかんべぇするすべてのものに

花の名前を残らずつけて

雨を命の源にして

風で吹き飛ぶ花びらも

やがても一度花を助けに

泥んこになり戻って来るし

 

僕ら生きてる人間は

ひとついいもん持ってんだ

その気になれば歌えんだ

雨の詩さえ

黙ったまんまで 喉を揺らして

歌えんだ

 

空が雨を降らす

花は見上げる準備を進める

地べたをさんざん見つめた後に

空に向かって花開くんだ

 

花は空にはなれないけれど

空のひとかけらに違いない

雨の詩は今日も聴こえ

だけどもここでも裸で咲いてる

傘とも違う光色

空にも今にも届きそう

 

 

ひとつぶ、想う

ゆっくり走ろう、を

君にもらったノートに書きとめ

そう今からがまた

僕の新たな道のはじまり

 

そして

もうひとつぶ、想う

君も、も

僕が綴ったノートで渡そう

君次第の「今」がまた

君の新たな道のはじまり

 

 

空だって地べたにあれば

ひとかけらでも許される

そのひとかけらも

僕は好きで仕方ない

 

僕と関係なく降り止まない雨の中も

うつむきかげんにしょぼくれてたら

咲いてる花がよく見えたけど

 

僕の背中もまた 誰かが見れば

遠くの方から花かもしれないな

小さな空のかけらくらいには

咲いているかもしれないな

 

これから咲くものが歌う

雨の詩

細く強く

空と地べたを繋ぐよう

 

いつかは きっと

雨は止むけど

そういうことは信じていよう

 

そろそろ 歌える

陽射しを避けない 雨の詩

まだまだ 歌える

陽射しを作る 雨の詩

みんなで 歌える

陽射しの中で 雨の詩

 

僕ら生きてる人間は

ひとついいもん

持ってんだ