希望のうた

壁に刻んでく模様が

だんだん複雑になってく

微笑んで受け入れながら

でも

折り畳めないこころを

すぼめて空を見ることがある

 

いつでも前にある 壁は

あやふやで はっきり

想いを刻んだりできないけど

風が吹いてるね

太陽が照らしてるね

ぼくは翔けたいよ

きみに会いたいよ

想ってること 想わないまま

想ってられる 頃があった

 

窓を閉じたまま

馳せる外と

窓を開けてから

馳せる外は

広さがぜんぜんちがう

すぼんだこころでは

あのおおきな空は

ちいさなこころで見ていた

あのおおきな空は

もう見れないのかもしれないけど

 

あのころと口にするの

変わったしるしだよって

希望のうたかい

(そうぼくも 変わってってる)

 

壁に刻んでく模様が

目まぐるしく複雑になってく

微笑んで受け入れながら

でも

折り畳めないこころを

すぼめて空を見ることがある

 

小窓から出入りできた

あのやわらかなこころで

翔けたいよ

もういちどじゃなく

いまはじめてと

 

季節を回りながら

巡ることがないのは

壁に這うつる草の階段を

ほんのわずか たよりに

登ってるからなんだよ

 

翔けながら誰か

そう言ってくれたなら

どんなにらくだろうねって

それが希望のうたかい

(そうぼくも よわってったり)

 

朝いちばんに目覚める 耳の中に

希望のうたが

しずかな しずかな

いたずらをする

 

こころはもういちど 広がって

こころははじめて ふくらんで

またひとつなにかを聴いた気になれる

その繰り返しが

希望のうただよ

 

ポケットを探ったら

ちっちゃな望遠鏡が見つかったから

死んでしまったかもしれない星の

死ななかった光をこころに塗るんだ

ときおり輝く模様が そして

希望のうただよ

 

壁に刻んでく模様が

だんだん複雑になってく

微笑んで受け入れながら

でも それが

希望のはずだから

 

からから笑い声が

きゅうきゅう涙が

希望のうただったよ

希望のうただったよ