コクハク

その瞳という物質の尊さは

一体何処からやって来て

溢れるばかりの潤いは

一体何を言おうとしてるの

 

夕方あたり約束の場所

橋の上から水のきらめきを

そのやって来る源を見つめたくて

突っ立ってあなたを待っていました

 

こころはいつもこの赤で

青くなる空を慈しみ

尖って咲いた月の明日は

少しだけ でも確実に丸くなる

 

僕を見つけてあなたは言うだろう

こんなところでどうしたの 偶然ねって

薄々気持ちは知りながら

その眼差しは夕日のように震えるだろう

 

どんな色のコンタクトレンズも

その黒い瞳にかなわない

口にしたら安っぽい言葉をいくつも捨てて

僕はあなたに告げるだろう

 

ハートの皮膚を突き破り

ふたりが瞳に映るお互いで

もう知ってしまったひとことを

 

言葉ではない告白という

きらきら光る夜景のような

かなしみ混じりのひとことを