ソーダ水の飴玉

子供の頃

僕の神様は

ソーダ水の飴玉を

なめながら

缶からひとつ

僕にも

苺ミルクの飴玉を

くれました

 

しょっぱいソーダ水の飴玉をなめながら

向日葵を好きなあの人にはバラを

バラを好きなあの人には向日葵を

あげているのは

二人が出逢うためですよと

いつか

教えてくれましたね

 

僕は苺ミルクの飴玉が好き

神様あなたの口の中で

しょっぱい飴玉は

溶けてしまうまで

あとどのくらい

 

やっぱり僕は

明日があるとは

信じ切れない

 

やっぱりそして

運命なんて

いらないと思う

 

神様あなたも

ずっと会えない

友達だけど

あの飴玉は

まだ食べません

 

こうして夜毎話しかけても

滲みもしない優しさだけれど

星みたいに

消えてなくなっても

何億年も届くのは

優しさと分かるままで届くのは

限りなく強い光だったと

今頃になって

神様

気づいたんだよ

 

僕の神様

せめてその星空では

落ち込まないで

生きていますか

ソーダ水の飴玉を

噛み砕かないで

いてくれるのは

優しさなんだと

信じています

 

僕の神様

見えるでしょうか

僕は僕なりに

優しい光を放っていますよ

 

みんなで一人の神様を

信じる人もいるけれど

僕は僕の神様一人でいい

あの日もらった優しさでいい

 

苺ミルクの飴玉は

どういう味か知らないけれど

どういう味か見つけるように

生きてます

 

神様あなたの

こころはとても

優しいくせに

しょっぱいけれど

いったい誰からもらったの

 

そしてあなたは

いったいなにを

あげたのでしょうか

 

おんなじものを

持ってる人もいるのでしょうか

僕でいうなら

苺ミルクの飴玉を

 

神様あなたも

いつでもどこでも

ひとりでしたね

 

あなたのためにと

思っても

ソーダ水の飴玉を

持ってる人を

あなた以外に

まだ見つけない