七夕、散歩の帰り道

サンタクロースを信じられない君が

ベランダの隅、てるてる坊主をそうやって

靴下と一緒につるして

今日、晴れることを祈るのは

誰のためでもなく

恋はこころの中にあるものなのを

こうして僕に教えてくれた

 

君の部屋に知らないうちに揃えてあった

僕のデザートグラスと小さいスプーン

離れてる間に君がしていたことは

綾織の空色、テーブルクロス

少し遠い方がきれいに見える

 

力を込めて掬いとった

クッキー入りのアイスクリームを

両手に持ってやってくる

にこっとしないその顔が

こういうときはどきっとさせる

 

午後からの降水確率は50%

どこにも行かない

僕らの予定を少しだけ変えて

曇った空の下

傘を忘れて散歩に出よう

日焼けしなくていいだろう

 

通りすがりの小学校に

五色以上の揺れる短冊

こんなに夢はきらきら光る

昨日の雨に降られたんだろう

しわくちゃだけどきらきら光る

 

海の近くに住めたらね

この夏何回聞くだろう

そばにいれたら

二人で一緒に考えよう

 

 

笹舟作って空を見上げて

汗ばんだ手を二回叩いて

教えたら叶わないんだって

なんか間違ってるって思うけど

午後からの降水確率は50%

晴れるかどうかも

気持ちしだいって気がしないでもない

 

今僕らの頬に触れた恋に吹く風

笹舟乗せた夢に吹く風

空に昇って雲に伝えて

夢見るすべての人の

星に願いを

今日しか会えない

星の願いを

 

買い物袋を抱えて帰る

二日か三日でこんなに食べるの

だいたい散歩に出てきただけなのに

なんでこういうことになってるんだろう

 

少し遅れて歩く僕の影が

君と並んで歩いてるよ

振り返ったら沈み始めた夕日が見えた

君に言おうと振り返ったら

君も振り返ってて微笑み合った

 

買い物袋をはんぶんこして

手をつないで行く

七夕、散歩の帰り道

 

どの星が出逢う星かも知らないけれど

僕らはどうやら出逢えたんだね

 

祈りも願いもはんぶんこして

手をつないで行く

七夕、散歩の帰り道

 

どの星が出逢う星かも知れないけれど

僕らはどうやら出逢ったんだね