親指

眠り過ぎた明るい夕方に

こころにある想いはとても大きいのに

ささやかな涙だな

僕の指に溶けて 無くなってしまう

 

果ての無い宇宙は直方体の

神様の実験箱で

太陽系の在る無し辺りは

今のところ誤差の範囲でも

 

君とのこの恋愛も

銀河系を凌ぐ渦巻きで

それでも実験データには

百万回目の高ぶりでも

 

こころにあるこの想いは

とても大きいのに

 

ささやかな涙だな

ささやかな涙だな

 

僕らは小さすぎて 神様にすら

手が出せないのかもしれない

僕の指ほどが具合よくて

こうしてほら容易く

溶けて無くなって

 

遠く離れるとき

君の涙を拭おうとした

この指ほどの

ささやかな宇宙だ

実験箱の外側なんて

僕らにしたら

僕らにしたら

 

眠り過ぎた明るい夕方に

こころにある想いはとても大きいのに

ささやかな涙だな

僕の指に溶けて 無くなってしまう

 

君と僕の他は もう何もかも

もう何もかも 神様もくるんで

もう何もかも 親指に溶けて 無くなってしまう

 

僕の指に溶けて 無くなってしまう