頬色

向こう岸から やって来た

君の前で 靴を脱いでは

履いたりしている 自由に

自由に 不自由な 僕は

不自由だったな 僕は でも

 

ほんとに こんなに

生める言葉が足らないなんて

窓から あちらへ

タバコの煙まで去ってゆく

昨今 なのに 君は でも

 

季節も追って来た 靴を脱ぐ

摘んで持って来た 花は

川まで染める

頬色ほおいろにまで染める

 

何も無いことがあるってことは

知っていて分からなかったんだ

何も無い僕らは そのすべてで生きている

それだけのすべてで 生きてける

今は 感じてる 分かってる ただ

こうしていれば 流れては そう

 

向こう岸の土手にしか咲かなかった花々

君が持って来て こっちにも咲き出して

来年の今ごろには 花々になる 花は また

 

曇り空からやって来る 雨もまた

どこから来るのだろう

雨の降らない青空には

分からないとこなのだろう

 

僕らは星を見上げてる

今も まだ

いつも ただ

 

向こう岸からやって来た

君の前で 靴を脱いでは

履いたりしている 自由に

自由に 不自由な 僕は

不自由だったな 僕は でも

 

季節も追って来た 靴を脱ぐ

摘んで持って来た 花は

川まで染める

頬色にまで染める

 

君の頬の色の花が 咲き誇り

ぬくまった土手に 座り込んだら

 

僕らは星を見上げてる

今も まだ

いつも ただ

僕らはいたたまれなくなるだろう

いたたまれなくなるだろう

 

花は咲き

 

こう言って 手を握る

ここはまだ 途中

そう聴いて 口も瞑る

何もまだ 途中

 

何も散る

 

君の頬の色の花が 咲き誇り

温まった土手に 座り込んだら

 

手を握る 何も無い

 

君の頬の色の花が 咲き誇り

温まった土手に 座り込んだら

 

手を繋ぐ 花の匂い

 

目を瞑り 何も無い

頬色の川の花

 

目を瞑り 花の匂い

頬色の花の川

 

止め処ない

頬色の花の川の中

 

止め処ない

頬色の川の花の中

 

靴浮かぶ

 

浮かぶ靴

 

今は 感じてる 分かってる ただ

こうしていれば 流れては そう

 

君の頬の色の花が 咲き誇り

温まった土手に 座り込んだら

 

君の頬の色の花が 咲き誇り

温まった土手に 座り込んだら

 

君の頬の色の花が 咲き誇り

温まった土手に 座り込んだら

 

僕らの裸足の 足の裏もまた

ただ 頬色

 

ただ 頬色