ただの恋

クローバベンチに

しっぽの太い銀色のネコ

タンポポ綿毛に

咲いたばかりのタンポポの花

 

小さな葉っぱの大きな木

目に見るものも聞こえるものも

たったひとつの香りになった

 

公衆電話に

君のメモ

途切れ途切れの

君の声

 

学校帰りの一年生に

春の工作

この前は君の鞄に

絵葉書忘れて

 

今度は一緒に

遊園地

照れるばかりの

大人の会話

 

他人から見れば

ただの恋

僕らにとっても

ただの恋