ラブソング

真夜中ラジオを録音し

翌真夜中にまた聴いている

ひとつの曲を繰り返し

昨夜の想いをその度に

思い返して確かめている

 

胸から想いを剥ぎ取るような

神業を持てないのなら

溢れるものを掬う手や

待っていられる足がいる

それを今放り出してしまって

歌に耳を傾けている

 

ラブソング

共鳴できる並びを持って

連なって飛び舞い降りる

愛の歌とは

口が裂けても言えないが

涙が零れそうになる

そんな ラブソング

 

太陽の染み込んだ

シーツを優しく撫でながら

僕は朝 目覚めないことを祈った

君がいなくても この想いは

あるとさえ思った

 

この潮流にさらわれて

消えてなくなるものがあるなら

それはかよわいこの想いだろう

 

書き残した砂の文字と

崩れかけたお城

それは真実なのかもしれない

 

僕は朝 もう 目覚めないことを祈った

 

ラブソング

それは 繰り返す波の音

永遠と うそぶかれた海に行けば

それはある

かも

 

僕は朝 もう 目覚めないことを祈った

 

僕がいなくなったら

できるだけはやく涙の捨て場所へ

世界一大きな涙と うそぶかれたそこに行けば

それはある

かも