囁くくらいで届く恋

フローリングの床に立ち

裸足の足で立ち

天井を見上げると

この口はこころの形です

微笑んでしまいます

こころは空を見上げていて

青い球面をなぞっていて

明日に届く指先です

おそるおそる触れて

喜んでしまっている

 

ぺたぺたという足音

それは ぼくの羽音です

椅子にかけている時

まもなく ぼくは消えてなくなる

でしょう ほら

 

囁くくらいで届くところに

もう いるんだよ ほら

 

囁くくらいで届く恋

これは架空のおはなしです

 

ほら ほら

きみが見えてきた