まるい黄色い花粉の
そのまわりに白い花びら
川原の土手に小さく
風に巻かれて咲いていました
あまりに可愛く
キレイなものより
かわいいものが好きなので
命をひとつ 摘みました
土手に自ずとできた階段に
古いジーパンだったので
腰掛けてずっと眺めていたのです
白い花びらには幾本の線があり
その一本ずつが命を主張するのです
小さな花粉が指先について
運んでくれと訴えるのです
僕はたまらずこころに花を植えました
黄色い花粉は風に撒き
白い花びら壊さぬように
花はやがてこころに根を張り
いくつも種子さえ生むのです
生きる力はそうゆうものです
それから僕は空を見上げる
どんなに風が強くても
白い花びら枯れないように