瞳が輝くとき

睨み付けるような眼で

言葉少な目に大切そうなことを言う

考えてみればその結論に達するまでの

曖昧な想いや軽はずみな行動を

君は僕にだけは見せていた

 

君の言う大切そうなことは

君の言葉で語られる時だけ

嘘になってしまったりしなかったね

相づちを打ってはいても

僕が核心を突こうとしても

言葉は残らずひとつも嘘っぽかった

 

君を分かりたいなら

君以上の時間をかけて

君への答えを探さなければ

でもそれがいつしか辛く

自分がいなくなるようで

情けなくて悲しくなってた

 

君ひとり分かり合えているような

そんな顔をしてるのが歯がゆかった

分かりたいとがむしゃらなのに

分からないことがあることを初めて知ったよ

こればっかりは徹夜で公式を覚え切ったって

すり抜けられないどうにもならない

すり抜けたくないどうにもできない

そうだったんだ

言えずじまいにしてしまったけど

 

忘れられない言葉はいくつもあるけど

忘れたくない言葉がひとつだけある

僕が夢を見るなんて馬鹿らしいと言ったときの

明日は死ぬかもしれないけれど

夢見るときの今日の瞳は輝いてる

って珍しく早口だった君の言葉

 

今頃になって僕は言葉にしているよ

君が言っていた大切そうなことは

憶えてる限り大切なことだった

長い時間をかけてやっと言葉にしているよ

 

好きよりも好きなのは

愛してるだと思っていたけど

君は嫌って言わせてくれなかった

愛してるって聴かれても

答えられない僕がいる

今はまだ

 

君はもう愛してると言ってくれる人を見つけたかい

僕はこの人にこそ愛してると言いたい人を待っている

いくらひとりで探してみても言えるようにはならない言葉

瞳が輝いているときにだけ言えそうな短いけれど長い言葉

 

狭い意味でね

人はひとりで生きられないと納得したんだ

愛してるなんて最上級の表現を

生きてるうちに一度くらいは言いたいから

 

こころはいつでも正直だから

僕の言葉で伝えたときだけ

一度も嘘にならないように

僕のこころがかたちをくずさず

そのまま届くそんな感じで