逃避行

なんで太陽はあんなに燃えているだろう

伏し目がちな僕に何を見ろというんだ

 

なんで僕はこんなに曇り空を見上げるだろう

ちっぽけな窓から何を目指そうというんだ

 

まばゆいということを避けて

辿り着いたとこはこれぽっちの広さなんだね

 

薄暗闇にしゃがみこんで

手に入れた束の間の安堵が今のすべてで

 

一降りの雨で震えさせた後

満ちていく波打ち際で壊して

砂の城より一思いに

 

 

なんで太陽はあんなに燃えているだろう

なんのため僕なんか照らして温めようとする

 

なんで僕はこんなに空白を探すだろう

どこにある何でそれを埋めるつもりなんだい

 

走り出して雑音で消したこと

振り返らずに捨てたもの

 

逃げてきた場所で聞いた話

遠くにあるという話

 

一吹きの風で凍えさせた後

満天の星の夜空へ飛ばして

星になれなくてもいい

 

逃避行からの逃避行

夢から覚めるより一瞬で

あの現実へ戻りたい