まやかし

真っくろ焦げな、少年だった、

僕、を救った、僕、のまやかしで、

今 君が、笑った。

 

海辺で、シャツが泣いてた。

そんな冬の夢を、なぜだか夏に、もう一度、思い出す。

できれば、放り出さないで、

すべてを、抱え上げて、歩きたいけど、、、

何が、許さないのか、、、何か、許せないのか、

分からなくって。

 

今 なぜか、君が、笑って、

僕は、泣きそうになって、笑った。

 

あぁ、広い砂浜で、僕は、

周りにがらくたを零して、つっぷして、泣いて、

月夜、波音にこそばされ、それは、君だった、

と夢も見てから、起き上がり、また、泣いた。

 

さらわれたのは、がらくたなのか、僕だったのか、

とにかく、僕は、生きながら、ぽつんとなったが、

 

口を瞑ると、目ばかり開いて、

耳を澄ますと、匂いも聴けて、

君が話すと、‘向こう’が見えた。

 

そんな君と、気づいたら、僕は、そばに居合わせて、、、

 

真っくろ焦げな、少年だった、

僕、を救った、僕、のまやかしで、

今 君が、笑った。

 

今 なぜか、君が、笑って、

僕は、泣きそうになって、笑った。

 

そんな、、、もしかすると、これは、

君、のまやかし?