手紙のない週末

負けないでって言ってくれてありがとう

でも負けてしまった今に一番君がいてほしい

手紙のない週末

空っぽの冷蔵庫で僕は頭を冷やしてる

痛む頭には君だけがたくさん入ってます

 

風が吹いて来て砂埃の広っぱに誰かの忘れてったボールかしら

転がってる

僕は立ち尽くしたまま朝を迎えた

負けないで

君の柔らかな頬だけがほどよく僕を温めた

思い出してるうちに眠ってしまった

手紙のない週末

春になりきらない廊下を裸足で歩く

小さな明かりは扉の覗き穴かしら

君がまあるく歪んで見える

 

真っ白な紙で鼻をかむ

生産性のない行動ばかりで嫌になるなんて

手紙のない週末

君なんて

口癖になりかけて思う生産性のない行動ばかりで

嫌になるなんて

 

君がいる

君だけが頭の中にたくさんいる

 

手紙のない週末

君に初めての手紙を書く

一人しかいない現実の君に届くように

真っ白な紙に白い花を描く

 

「手紙のない週末には会いに行く」

手紙のない週末

僕はぴったりの靴をつけて

広っぱへ

負けないで

小さなボールを蹴り返すため