春ノ此花 ~明日また会いましょう~

曇り空に花が散ってます

それは終わりではなく始まりでもなく

見ていていいですか

 

溶けた月に立ち止まる

もうすぐ満月なのか少し過ぎたのか

明日はそんな感じ

細く丸く 僕には見えます

 

僕は何百回くらい君に

君はかわいい、と言ったでしょう

よくほどける靴の紐を結ぶように

それはいつまでもほんとうです 歩き進むため

立ち止まるため

 

君が受け入れてくれて

僕は跳ねるほど 笑みが洩れています

なんだかそれも 春の花くらい

 

曇り空に花が散ってます

それは終わりではなく始まりでもなく

今とここが並んで見ている

今とここも並んで見ている

君も見ていていいですか

まるで一緒にあるように

 

風は夜に手を振るように吹くけれど

あらゆる星が流されて空で回ってる

いつか止んでしまう雨が降りだして

いつもはいらない傘をそっと広げる

 

僕は君に、君は僕に

こんなに遠くたって

 

君と僕がいる明日また会いましょう

早く目覚めるから

ほんとうはたくさんの星も目覚めている青空がある

明日また会いましょう

雲から洩れてきたあの梯子を登って

 

言葉が出ないときは 今日のことを思い出します

初めて咲いた 春のこの花のように

初めて散った 春のこの花のように

明日また会いましょう