たくさんの手紙の中に紛れ込んだような切ない気持ち

たくさんの人に祝福されて

花束に埋もれながら未来を思っても

たくさんの手紙の中に紛れ込んだような切ない気持ちに

出会い頭にすべて持ってかれそうな気がしてならない

 

崩れそうなコンクリートの塊が

持ち寄られた花束を守るように立っていて

その背中へといつもより赤い夕日が終わりを告げる時刻に

切ない気持ちも希望みたいなものと言える気がしてならない

 

一度でも終わってしまったらもう二度と始まらないものがあって

それを知らないうちに失ってしまってたことにも気づいて

挙げ句の果てには後悔するってどこかで覚悟しながら

でも投げやりに夢も見づらい明るすぎる空洞に踏み入った

けれど案外大切なものは深い深い落とし穴の底に落ちてたりして

次々に生まれて来てたりもするから

今度こそはと思えれば昼も夜もなくびっくりするほど走れたりする

 

喜ばすことも悲しませることもできるなら

喜ばすだけ喜ばせてやろうと思う

自分の悲しみに正直になれば

人の痛みにだって気づいてあげられる

そんな気もする

 

青い封筒に入った涙のかたちした手紙ばかりが届く

けれど目を背けずひどく小さくてもここにある強さでもって

たくさんの手紙の中に紛れ込んだような切ない気持ちが

ほんとにほんとはなんなのかって突き止めてみせる

せめてそれが分かるまではなんの淵に溺れようとも

遠い空でも掴もうともがいてみせる

 

今までだっていろいろ考えてみたし

中途半端であっても答えを出してきた

それを全否定するような絶望がもしあったって

とっかえっこできない僕なんだから

すべてのものと僕は向かい合ってみる

悲しませるために得意げにばら撒いているようなたくさんの手紙の中に

紛れ込んだような一抹の切ない気持ちにも

それを跳ね返そうと前を向き直したこころに届いた

たくさんの切ない気持ちの中に紛れ込んだような一通の手紙にも

一々一々向かい合ってみる