弾き語りのオルゴール

砂漠の広がる星で

緑の生命力と

人間の底力を信じ

種を蒔く人の作った

 

死神の埋まった星で

罪のない犠牲者と

残酷の極みの間で

耳を澄ます人の作った

 

汗の伝う胸から生まれる

木のピアニストの

弾き語りのオルゴール

 

命を懸けて回されるネジ

力尽きて手を放した時だけ

静かに爪弾かれるピアノ

子守り歌のように耳元の歌声

 

眠っている間

笑った時

ふいに歌を聴いたなら

そににいるのは

嘘のない素の自分

 

やりたいことを

やりぬこうとすれば

芽生え始める

木のピアニスト

 

死神を掘り出した穴に

一粒の種を

顔を出せばほらネジのかたち

 

胸に手を当てれば

リズムをとってる

その振動が最初の勇気

 

この星はいま

なだらかでない傾斜地を

転がり落ちてる真っ最中だ