朝の牛乳

朝の牛乳を零してしまって

おやすみを言いそびれ

乾いて火照った首筋をかきむしる

 

あれはお腹をこわしがちだったからと

コーヒーをブラックで飲もうかなんて

瓶から出してた砂糖を昨夜に溶かす

 

友人はベランダで煙草を吸いながら

徹夜明けの朝を見るんだって椅子を探してたけど

いつの間にか寒くなってて諦めた

「また、来年。」と言いながら僕はどこかで憧れていた

 

なにもできない僕にください

朝の牛乳

今は小さな鍋で温めないで

冷たい牛乳

 

「いつか、いつか。」の成れの果て

きっとお腹も丈夫になるから

 

 

朝の牛乳を零してしまって

おやすみを言いそびれ

ぼさぼさ頭を鏡で見つめる

 

なまけものだけどがんばるじゃなく

なまけものだからがんばると

人には言うけど眠りたいから、さぁ眠ろう

 

憂鬱と倦怠に生きてる眼差しが見つめる僕は

難しい漢字を確かめもせずワープロに頼る

なにができるのと聞かれれば

「うん、来年。」と言いながら僕は自分に酔っぱらう

 

なにもできない僕にください

朝の牛乳

今は小さな鍋で温めないで

冷たい牛乳

 

「いつか、いつか。」の成れの果て

きっとお腹も丈夫になるから