「空と花」第三回展示会

ワッフル

虹色の青に乗ってって

パレードを抜け出した

こどもの風船追いかけ

涙の君に手を振りたい

 

靴底の下に街が隠れて

ワッフルの匂いがした

蜜蜂の天使は日本語で

「おひとついらない?」

 

今夜は月が照りそうで

ゆっくりと日も落ちる

明るさは暗がりのなか

涙の君にそう伝えたい

 

星空の上に寝そべって

君んちの窓を見下ろす

ちっさくかけがえない

君んちの窓を見下ろす

 

地上に咲く花のなかで

眠る蜜蜂

夢を見ているその胸に

ワッフルの匂いがする

 

 

 

花火

君のいる地で生まれた

小さな芽

果てのない闇に向かい

まっすぐに伸びてゆく

 

ちからの限り成長した

葉のない茎

時が止まるかのように

闇に吸い込まれていく

 

つぼみを大きく広げた

七色の花

光りは地上を包み込み

鼓動が空気を震わせる

 

そして舞い散っていく

花びら達

かすかな風に運ばれて

跡形もなく消えていく

 

地上に咲く花のように

種は残せなかったけど

瞳を輝かせる君の胸に

咲きつづける星になる

 

 

 

 

 

 

羽根

目が覚めると

背中に小さな羽根が生えてて

まだ、ぎこちないけど

羽ばたかせることができたよ

 

外に出てみると

いつもより空が近くて

胸の奥の不安を隠しながら

その小さな羽根を羽ばたかせると

つま先は、地から離れた・・・

 

いつだって、近くにいた君

遠いはずなのに、離れることができず

それを君のせいにしてた僕

ほんとは僕が近くにいたかったんだね

自由になりたいって何度もそう思ったけど

自由っていう意味を考えたこともなかった

 

目が覚めると

背中に小さな羽根が生えてて

まだ、ぎこちないけど

羽ばたかせることができたよ

 

少しでも高く昇りたくて、必死で羽根を動かした

青だと思ってた空は、どこまでも透きとおってて

僕の存在なんて気にも止めず風が吹き抜けてって

やわらかいはずの雲は、触ることすらできなくて

太陽の光りは僕を貫くように、まっすぐ射してて

 

僕はどこへ向かっているんだろうって考えるけど

答えを見つけることはできず、さらに昇ってみる

だけど、空は寂しくて

 

君が近くにいたとき、空は、もっと広かったのに

君が近くにいたとき、空は、もっと輝いてたのに

そして、僕はひとりになった

 

目が覚めると

背中に小さな羽根が生えてて

まだ、ぎこちないけど

羽ばたかせることができたよ

 

空に出てみると

いつもより空が遠くて

胸の奥の不安は募るばかり

その小さな羽根は動かなくなって

落ちながら、気を失った・・・

 

君から離れた僕は自由になれた?

確かに何にも縛られていないけど

憧れていた自由ってこんなもの?

確かにじゃまするものはないけど

ひとりの空では何も見つけられず

こころには、君だけが咲いていた

 

ふと、気づいたら、小さな羽根は消えていて

背中は、昨日眠りについたときと同じだった

太陽は、青い空の中央から光りを放っていて

どこかで君が、僕のことを想ってくれている

 

君を想った瞬間、こころに白い羽根が生えた

自由はきっと、君の中

 

 

 

天気雨の降る星で

生まれて来てからひとつだけ

分かったことがある、

どんなのも果てしなく小さくて、

だからこその大事があるって、

 

遠くに生まれ、生きて、

会ったこともない君に降った雨を、

僕は知らない、

んだけど、

僕に降った小さな雨粒たちがいたんで、

それをちょったぁ分かるってもんで、

そんな風さ。

 

晴れた日に生えた草に、

晴れた日に花がついて、

んだからか、目一杯空を見て、

んなのに、花は、

雨粒を拾うかたちを、

あんなにしてんのは、、、

あれが、僕らみんなの胸にあるよな感じ、

して、

 

何気ない風が、君を透りぬけて、

僕に辿りつく、

他愛無い名を、君と呼び合って、

僕は笑いだす。

 

生まれて来てからひとつだけ

分かったことがある、

こんなのは果てしなく小さいが、

どれもみなただひとつだって、

 

それの繋がる力、どうやら持ってんで、

光る向こうは前なんで、

って信じることも出来たんで。

祝福し合うは、気恥ずかしいが、

出会えば、世界は色も変え、

なんかの別れも、そこにあるんで、

祝福し合って、互いに「向こう」へ。

更なる待ち人、

「向こう」に、

いるんで、って信じる力も、

そこで涌かせて、僕は

「向こう」へ。

 

複雑なりんごを、四角い型で抜いて、

立方体の時計は出来ない、

が、幾つもの大切な、

歯車の組み合わせも、一つのりんごじゃ、

それも出来ない、、、。からぁ、

 

届きたての太陽受けて、木々の先々で、

 

白い花々!輝いてる今、

その繋がりに、僕は空へも、

背を伸ばすんだ。冷たくなるまで、

温かいんだ、「向こう」も、、、僕も。

 

生まれて来てからひとつだけ

分かったことがある、

どんなのも果てしなく小さくて、

だからこその大事があるって、

 

遠くに生まれ、生きて、

会ったこともない君に降った雨を、

僕は知らない、

んだけど、

僕に降った小さな雨粒たちがいたんで、

それをちょったぁ分かるってもんで、

こんな風さ、、、

 

泣いて生まれて来たんで笑って死のう、

なんて、

そんな、言わないが、

泣いて生まれて来たけど、

笑って生きようか、できるだけ、

って僕は言い、

「宇宙」にもある「笑いの絶対量」、

なんて前提の、

たがなんて、取っ払って、そして、、、

全部の、

残らず君に、笑いを見せる。さ、

見せて、君も、

 

祝福し合って、互いに「向こう」へ。

更なる待ち人、「向こう」に、

いるんで、って信じる力も、

互いに涌かせて、光る「向こう」へ、

 

雨を飲み乾す大口開けて、残らず、全部の、

笑いを向けて、、、

そう、この胸のみたいに、もう花みたいに、

「笑い」を、向けて、

 

哀しみのなか、悦びもあり、楽しみのなか、

淋しさもある、、、

天気雨の降る、この星で。