「空と花」第四回展示会

キュン

僕には飼い犬のキュンがいない

雨に歌えば寂しさが溢れる

夕暮れ色の空は晴れているのに

足元でキュンはびしょ濡れている

 

僕は歌が下手くそだけれど

歌ってみるよ 僕の思う

シンプルなライフに歌はかかせない

いつか僕を励ましてくれた歌を

歌ってみるよ 僕の犬に

 

僕には飼い犬のキュンがいない

風に吹かれると涙が零れる

遠くの星の光は長い旅の果てに

この頬でキュンとたわむれている

 

僕は歌は上手くないけれど

歌ってみるよ 僕の思う

シンプルなライフに君はかかせない

いつも僕を励ましてくれる犬に

歌ってみるよ 僕の歌を

 

胸がキュンとなる歌を

犬がキュンと鳴く歌を

 

僕はキュンがいる限り

新しい歌を歌える

太陽がくれない温もりも

君の元まで届けたい

 

僕に何ができるだろう

僕に何ができるだろう

夕暮れ色の空は晴れているのに

足元でキュンはびしょ濡れている

 

 

 

優しいあなたに守られて

僕はこの芽を開けました

あなたはあなたのもの全て

僕に与えてくれました

 

あなたはいつも暖かく

僕を育ててくれました

あなたのそばにいるだけで

僕は嬉しくなりました

 

そうして僕はあなたの上で

小さな花をつけました

あなたは僕の花を見て

にこにこ笑ってくれました

 

僕はあなたに支えられ

いつも空を見上げてる

あなたは僕の足もとで

遠い景色を見つめてる

 

ある日僕は聞きました

あなたの悲しいため息を

そのとき僕は気づきました

あなたの笑顔が消えたこと

 

あなたは僕がいる限り

新しい花と出会えない

太陽が注ぐ光りさえ

あなたの元へは届かない

 

僕に何ができるだろう

僕に何ができるだろう

自ら枯れる勇気さえ

持っていないこの僕に

 

 

 

 

 

 

わらひがほ

空に夕焼のあるやうに

心にせつなさ光り輝き

ひとつのやうな気持になッた

 

空に夜空のあるやうに

心に闇の静まりかへり

こどくのやうに貧しくなッた

 

空に泣面のあるやうに

心に僕の哀しみのゐる

僕の心の命にてひと想ふのは

 

空の真昼にあるといふ

目には見えない星想ひ

月の灯したなみだをぬぐッた

 

空に虹の架かるやうに

耳にささめき流れ着き

ひろやかなまど心につくッた

 

空に笑顔のあるやうに

心に僕の哀しみのゐる

僕の心の命にてひと想ふのは

 

 

 

金色

花が散ってゆきました

涼しくなった夕暮の中

それは金色の花びらでした

 

蕾の時代を知っています

寄り添いながら空見上げ

それは柔らかな日々でした

 

花の時代を知っています

それぞれに別の空見上げ

それは穏やかな日々でした

 

花は散ってゆきました

涼しくなった夕暮の中

それは金色の花びらでした

 

温度を持った涙さえ

心に残る笑顔と共に

金色の光りに染まってゆく

 

眠りにつく太陽が

残された白の雲を

金色の光りで縁取るように