微風と階段

うっぷんを吹き払い

清々しくさせるような

笑顔を見せるなまけもの

いつか空も飛べる

思っているようなその笑顔

馬鹿にするものもいたが

毎日訪ねて来る変わりものもいた

 

かまきりの階段

一枚羽がもげていて

もう飛べない

 

毎日どこからか

毎日違う種類の花を

持って来る階段を

微風は少しでも高く投げてやる

 

落ちて行く様は

微風にはそれでも半分は

憧れる姿だった

 

微風と階段はそして

それぞれにひとりごちた

「このからだはわすれものだろうか」

「なにかをさがしにきたのだろうか」

 

浅い眠りがたくさんの夢を見せた

手折られた花が香った