いつか詩人になるために

川のほとりまで

自転車に乗って

流れに沿って

散歩したりしてみる

時々立ち止まり

星の名を考えてみたり

季節の花を覚えようとしてみたりする

夕日を待って

心を空っぽにして

暗闇の中を

寂しくなったりもする

子供の無邪気さに

夢を見たり

飛んで行く風船を

見上げ続けたり

歩道橋の真ん中辺りで

街を見下ろしてもみたりする

空をよく眺めたり

月を探したり

ただひとりに

真剣に恋して

優しさや自分について

深く悩んだり

眠れない日々に耐えてみる

風邪をひいても詩を書き

ほんのたまにだけ夢を見て

ついに日常の景色が写真ではなく

音楽のように流れ出すまで

いつか詩人になるために