木陰のベンチ

木陰のベンチは

野球場の側

誰もいなくて 静かで

風のせいで揺れてる

緑の声たちが

土砂降りの雨のようにきこえるばかり

 

木陰のベンチは

面影のほとり

君がいなくて ひとりで

雲のかげに隠れた

太陽の残像が

出会った日の眩暈のように揺れている

 

君といま恋人ならば

今すぐにでも呼びだして

このあたりまえすぎる風景の中

きっと何かをみつけられたのに