ぼくらがくちぶえをふくと
おんなのこひとり いなくなる
おんなのこはみんな
あれちをすあしであるいてる
そこにいないぼくらには
しるよしもない
ぼくらがくちぶえをふくと
おとこのこひとり いなくなる
おとこのこはみんな
おおきくなれずにでもげんき
わらいかけられたぼくら
なみだだしてる
おんなのこは くちびるが
やわく
くちぶえがへただった
おとこのこは くちびるが
かたく
くちぶえがうまかった
ぼくらがいないあいだも
おんなのこはくちぶえのれんしゅう
なにかを おってる
ぼくらがいなくなってから
おとこのこはくちぶえのふくしゅう
なにかを まってる
ぼくらがくちぶえをふくと
おんなのこひとり いなくなる
そこにいないぼくらには
しるよしもない
ぼくらがくちぶえをふくと
おとこのこひとり いなくなる
たちさったぼくらには
みえなかった
くちのないかみさまが
くちぶえをふけば
ぼくらはみんな いなくなる
きっとの はなし
でも やっぱ
くちがないから
くちびるもない
めをつぶり かなしいきもちで
ぼくらはぼくらで キスをする
くちぶえ やすみ キスをする
そして あいなど くちにする
また くちぶえを ふいてしまう
おんなのこがうまれ
おとこのこがうまれ
ぼくらは やがて くちぶえをふけなくなり
ぼくらは そして くちぶえをふかれる
つちのしたにも そらのうえにも
そのあいだにも ぼくらのなかにも
それらは つねにじゅうまんしてる
だから えいえんなんてせんりつは
ついにひびかない
せいぜいかけらのくちぶえが
ぼくらに ふければ きこえれば
ほんとうのからっぽなのかも しれません
くちぶえ ひびくか しれません
きっとの はなし
でも やっぱ