閉じた目蓋のすぐ上で太陽が揺れている
緑のカバーの本を読み
縞模様の服を着て
ぼくがきみの言葉だけを好きなのだとしても
ひとくみのかぎかっこを死ぬまで用意して
こころを推し量る
生まれ持った疑う素振りも押し流して
はじめはね
ひとりきりのものなのだと思っていた
けれど今はね
ひとりにひとりいるのじゃないかと思っている
神様
そう言えばいろんな泥が付いてしまうけれど
そのようなもの
が
よく言ったものであの男の子は
キスの後が肝心なのだと甘いソースを指で掬いながら
描く文字は汚かったけれど
デザートならば生涯任せておくれって笑顔を
女の子は大抵好きだった
そしてぼくはきみに会った
思し召しなんて信じない
けれど
真昼のステンレスの水面が揺れて
柔らかな光の中の二人と来たら
さかさまで
彩りが紫のシャンプーボトルだったから
季節に
熱いコーヒーを沸かすよ
こんなにたくさんの
(大げさな手振り)