パンジーの肖像詩

失敗ばかりな冴えない発明家パンジー、ある日“ムシャクシャ”にこころを乗っ取られてどかんて壁を蹴っ飛ばして穴を開けちゃって、しばらくしてカミサマ呼ばわりされる羽目になったの。

彼女は『思いがけず暗闇ばかりのこの世界に“マド”を発明した者』として、だからいつでも未来まで名をとどめたの。なんでって、その日まで光のなかった暗闇ばかりの世界だったんだから。

でもねそれはいつのことかいまさら調べることも、ましてや今からどのくらい前のことか数えるなんて面倒臭過ぎるほど前のことだから、パンジーって、今では花の名前のひとつでしかなくなったの。

神様はいないかもしれないけど、パンジーはいたに違いないって私なんかはでもなぜだか思っちゃう。こころなんて今でもときどき暗闇ばかりの世界になるでしょ、そんなときにはだから私花を想うの。

彼女のお墓も、今はこの世界のどこにだってないでしょ、私たちも光の溢れる世界に慣れてしまったでしょ、けどまだ“ムシャクシャ”はいたりして、星はあるけど、宇宙は暗闇だって知ってたりして、

なんだか壁を蹴っ飛ばしてどかんて穴を開けたところで、その外の世界ももともと見えてる気がしちゃっててなんか壁も蹴れない日々続きだから何も変わらないまま過ぎて行くんだとも思うけど、

この慣れちゃった光に代わる真新しい光が未来にはないかな、なんて私の想像力で膨らました素敵なパンジー見習って、失敗ばかりな冴えない毎日で私、いつか大きな穴開けてやるって思うんだ。

今だってパンジーはいるよ、ほらあそこをごらん、チンパンジー。なんて茶化してくれる人も沢山いるけど私最近結構本気なの。パンジー、だから私の大好きな花パンジー、花言葉も知らないけど。、、、いいんだ。

私の想いが光になってあなたにも見えるはず、こころの目を開いてくれれば、暗闇のなかにいるどんな人にだって私の想いは光になって見えるはずなの。宇宙の生まれたてみたいな形した花パンジー。、、、私の私。