気持ちがあったんだ
そこに…
君が空っぽにして
残ったカップと
そのままの椅子
目隠しのないガラスの壁から
反射板のビルを見上げてる
徒に跳ねるものが
こころにもある
太陽は
今日はそんな標識だった
君の昼休みに街に
僕が立ち寄ったりする
半分残した長い夏休みは
加速度は振り切れた
光速の乗り物
ぶれる景色が空しさでいっぱい
に見える
高温の光の中が
すべての最期にちがいない
ぬるまったカフェオレを
なんとなしかきまぜる
僕の生きている冷たい実感と
君の生きている温かい実感と
なんとなしかきまざる
気がした気がした
音のない外の
君の制服を揺らした
静かに見えるあの強い風は
その先で
アイイロの葉を散らしてる
許される
という快感がある
許してくれるものが遠かったために
僕は神様を信じてたんだろうか
君がいなくなっても
例えば二人掛けのテーブルに
居座ってるんだろうか
オーダーをいつも君にまかせて
水を飲みながら外を眺める僕も
今の姿勢に似た淡い格好
ちゃちな言葉ばかし
高温の光の中が
僕の最期でもちがわない
レジスターの数字をぼんやり眺めてたら
君よりも可愛らしい睫の女の子が
二人分を繰り返した
その時見せた僕のまぎらわす笑顔は
君のためだった
太陽は
今日はそんな高鳴りを見せた
気持ちがあったんだ
そこに…
言葉を使う会話には一度とない
そこに…