その部屋があれば

夜には

積み重ならない球ばかり

光っていて 多い

 

めがけて

何度も放つように

君の大きな手は 振られ

 

寄り添う

そんな困難なことを

めがけて

何度も受けるように

僕も小さな目 見開く

 

光を滲ませる水には触れれても

光には触れれない

それを互いに言葉にできない

光に触れれたと 思うことさえ

互いに避けた

 

夜には

積み重ならない球ばかり

朝には消えそうで いつも

離れてしまいそう

 

僕らが弱いんだろうか

辺りが強いんだろうか

ゆるやかな坂にも転げてしまう…

 

僕と君が暮らすためだけの

その部屋があれば

やがて敷き詰められた球の上に

球は積み重なるのかもしれない

 

転がる僕と君を毎日拾い抱えながら君も

…その実感は永遠に来ない

転がる君と僕を毎日拾い抱えながら僕も

…その冷たさは温まらない

一人きり としても

 

風が吹くと

きれいな星の音のする

空が とおい

星が きれい

 

夜には

積み重ならない球ばかり

光っていて ばかり