ないようなもの

宇宙に比べれば

このないような手で

ねじれてる青い瓶を叩き割る

中には君からの手紙が入ってる

 

小さな言葉の間違いを見つけても

もうからかったりはしない

笑わそうとしてるんだって

今は もう 分かる

 

窮屈な思いを知ってる 君は

僕に見せてくれる ほとんど

底がないほど遠くの 空も

 

宇宙に比べても

未解決の矛盾をはらんで

目新しいだけじゃない新しさを望む

そこには君こその光がこもってる

 

窮屈な思いをさせるからね 君には

僕の想いが限りないけど

宇宙は僕らをくるんでるから

 

小さなひびの重なりを見つめても

もうすぐだったりはしない

その先がまだあるんだって

今は もう 分かる

 

あのないような殻を破って

このないような手は掻き出すだろうか

大切なのに ないようなものも

淘汰されて ないようなものも

あまり先の先まで見通してると

道路掃除夫のじいさんみたいに

滅入ったりしてしまうんだけど、だけど

宇宙に比べれば

このないような時間に

僕らは貪欲に どれくらいに

触れれれば いいんだろうか

 

互いに優しく撫ぜ合ってる

このないような手と、僕

手と、君

見えないものを頼りなく でも

感じてる

 

宇宙に比べれば

このないような手で

ねじれてる青い瓶を叩き割る

中には君からの手紙が入ってる

 

例えば 君には字を書くための手がなくて

僕には君のこころそっくりのこころがあっても

 

例えば 僕には字を読むための目がなくて

君には僕のこころに届くそのこころがあっても

 

それにさえ 変わりは

ないようなもの

 

例えば君が 今さらいなくなってしまっても

僕に起きた変わりはもう 変わりようがないもの

 

閉じるために扉へ向かう間と その先の続きは

君のおかげでもう かけがえのないようなもの