太陽の温もりを見越して僕らは
少し暖かい格好をして家を出る
橋をいくつも渡った休日の夕方
新しい駅の脇道を抜けるとある
舗装のされない緩い坂道を登る
雑草の刈られた土手と河川敷の
芝生に走る犬と藍色の川を見て
弛みなく歩く僕らの影もやがて
風の運ぶ夜の砂粒の下に隠れて
黙ったまま手と手を握り合った
世界中でどのくらいの想い達が
届くべき所に届いているだろう
工場の煙突の向こうに沈む夕日
入れ替わるように輝き出す星月
何を白雪の代わりに見立てよう
星のビーコン、雲の千切れたの
たくさんのお話をし合う僕らの
白い息、こそばし合って弾んで
笑った君の顔と声とその後の涙
うれし涙、うまく言えないけど
その時体中に漲ったこの想いを
どんな神様でもいいから届けて
と、そう思ったんだ、届けたい
僕の想いを星のように何万年も
かかっても、君に届くまで繰り
返し放ち続けたい、いつまでも
と、そう思ったんだ、その頬に
今こそ触れたい、今こそキスを
今こそ笑顔を、今こそ抱き締め
て白い雪の夜に君と埋もれたい
白い雪の夜に僕ら、いつまでも