なにもなかったような
今日という退屈な一日にも
誕生日に立てる
ロウソクの数とはうらはらに
落ちてゆく
一枚いちまいの木の葉
きみにいわせれば
ぼくにとって
そして今ではきみにとっても
うたたねのタオルケットや
毛布のようで
いつかなくなってしまうけれど
だったらせめて
空にまっすぐ顔を向けてみようかな
できるだけの葉をしげらせたら
木かげであくびをしたあと
手をつないだまま また
きみと知らぬまに眠ってしまいたい
木の葉のつくるざわめく暗闇に
星空の星のように
ちりばめられた小さな陽の光が
やがて静かにひとつになって
きみとぼくがいっしょに
もう一度
目を覚ますころ
降り積もった木の葉の下から
やがての星空が双葉を広げて