オルガン

暖かかった一日の夕方、お風呂上りに

まだ湯冷めするのを気に掛けながら

二日分の食器を洗う

風邪を引いていてスープばかり飲んでいたから

案外少なくてすぐに終わってしまう

 

日が落ちてしまって夕刊を取りに行く

 

La Ville industrielle

工場の煙突と川が流れているのがどこかの町に似てるよね

 

こないだ仕事の空き時間に見に行ったって

言っていた百貨店の展示会で買っていたのかなあ

暖かかった水曜日に出してくれた絵葉書が週末の今日

二日掛かって僕の町に届く

 

台所に立っていて少し冷えた足元を温めながら

仰向いた炬燵で目を瞑る

 

大して変わらないんだろうけど

 

いつも飲むインスタントのコーヒーを珍しく

買い入れて来た牛乳を温めてカフェオレにしてみたり

時々のティーバッグで飲む紅茶を気分転換

粉末のキャラメルミルクティーにしてみたりして

 

睡眠は相変わらず足りないけれど栄養も

少し足りないのかもそう言えば

神戸のオルガンで飲んだミルクティーは美味しかったね

たっぷりのミルクを自分で注いで

また行こう、伝え忘れているけれど

いろんな思い出を僕も思い出す

 

ニュースの終わり頃に温室のチューリップの蕾たちが映る

僕の町の川も

もうすぐ土手一面の菜の花が今年も

咲き始めるのかもしれない

 

また目を瞑ると

僕は夜まで眠っている

 

自分はどうしたって自分なのだから

もっと楽にしていれば

自分らしく生きていることになるのだよ

 

夕食に牛乳を沸かして入れたミルクティーを飲み乾すと

流しに鍋とカップを濯いで置いて

今日の占いの文章に

まったくもってその通りだと思いましたとゆう君を

熱っぽい頭と胸に保留したまま

 

僕は夜まで深く眠っていた