バレエ

起き出した夕方からガンガン頭が痛かった日の真夜中の近くで

風もさらさらなくて僕は部屋の窓を開けているのを忘れていて

入る時木のドアをぞんざいに扱ってバタンと大きな音を立てる

早く眠るのよ朝まで起きてちゃいけませんよと先程珍しく僕は

誰かに僕のことを気に掛けられて何だか少し嬉しかったのにと

隣の隣の部屋のその声の主に余計な事を言ったかしらと心配を

掛けてはいけないと弁解に行くのも可笑しくて何もなかったと

再び木のドアを開けて外に出る少しまた大きな音を立ててみる

ガッチャリ部屋の開けたままの窓から入る空気に押されて少し

大きな音が鳴りました鳴っているんですとゆう風情を醸し出す

暗闇の緩やかな坂を上り切ると欲しくもなかった缶ジュースを

ゴトリ欲しかったから買い入れに来たような気分で買い入れる

隣の部屋の主はドアを開けたままいないのは通り掛かりの音で

この建物にひとつきりの浴室にいるからと分かる僕もついでと

着替えを抱えて缶ジュースではなくて浴室に向かう心積もりも

そうして音が聴こえた瞬間に諦めて缶ジュースを買い入れて今

ゴクゴクと飲み干した途端に風呂上りに飲めばよかったと思う

隣の部屋の主はカラスの行水タイプだからと知りつつも帰り際

隣の隣のあの声の主に僕は声を掛ける隣の部屋の主は浴室には

いつ頃に入ったのでしょうかまだ入ったばかりなのでしょうか

入ったばかりではないわよもう十分程も経つかしらだからすぐ

出るわね?とドア代わりの暖簾越しに答えが返るそうでしたか

それならまたすぐに向かうとしようとゆう気持ちを込めて僕は

お礼を言うと直ちにその場を立ち去って部屋に立ち帰る次こそ

静かにドアを閉めるカッチャン僕は木造の一軒家の二階の端の

東と南に窓がふたつある板張りの部屋に住んでいる浴室は一階

台所もテレビ室もトイレも玄関も一階個室ばかりの二階ですが

見ず知らずの三人が同居人とゆう形で共同生活を営んでいます

流しもコンロも食器棚も共同ですが冷蔵庫は置いてありません

僕はさしたる理由もなく僕の部屋にも冷蔵庫を置いてないので

こうして夏が近づくと真夜中の小さな外出が少し頻繁になって

もう七年もここにいて一向にある程度以上仲良くならない二人

年上の女と年下の男との至らない会話の頻度と中身がそれでも

少しだけ濃くなる一昨年の夏は僕の部屋の南の窓から辛うじて

見える川の花火を電灯を消して三人で思い思いのタイミングで

フィナーレの連発には揃ったけれど出たり入ったりする二人と

じっと見ている僕で同じ窓から一時間程だったろうか見ました

今年は土曜日なので休日の恋人と僕は少なくても橋の辺りまで

屋台も人も出てお祭のようになるので出掛けて行く計画をもう

今から口約束をして立ててしまっていますがこの部屋は開けて

出入自由にしておこうかと思う花火の音が夏から遠く聴こえる

それまでに二人との関係を打開とゆうか変化させないとと思う

この家の持ち主で僕達を集めるような束ねるような格好になる

年上の男が仕事の関係だそうで九州に長く住んでいる太陽系の

僕達は言ってみれば何処かの惑星のひとつひとつのような物で

その年上の男がこの関係では太陽のような物になる年下の男は

会社勤めをして恋人がいて年上の女もパートをここの京都から

大阪まで通ってしていて知人の金銭トラブルにも巻き込まれて

みんな何処かのいくつかの太陽系の交差点に長く居続けている

自らが場合では太陽になって惑星としての位置も大切に生きて

いる僕はそして飽き足らないのかその位置の改変を試みるのだ

自分に向いているのだと感じる惑星のひとつとして太陽の他の

惑星と及ぼし合っている引力を敏感に僕の中の何かが察知する

想像する宇宙空間に視覚的に惑星が位置を成すと自ずと分かる

ズレは微妙なものから大きく外れるものまで様々だけれど最早

修正する必要のないものだそもそも修正なんてできないものだ

僕がでしゃばるのはだから引力を断ち切ったり繋ぎ直したりの

繋ぎ直すことに限る僕は生き方を実のところそう限定していた

でもこちらは繋ぎ直したくてもあちらは繋ぎ直したくない場合

あちらはそもそも断ち切ろうと思っている場合が多い絶望して

僕はできないものと言いつつ拘っている修正やさらに断ち切る

繋ぎ直すなんて発想自体がこざかしいと気が付いて再び思った

僕はなすがまましかないといつからか僕は何かを諦めて知った

自分とゆう内面の宇宙を持って自分とゆう体を持つ何かのこと

太陽系のようなものは銀河系の中にだって沢山あることそして

その銀河系だって宇宙の中に無数にあるらしいことそしてまた

宇宙もひとつ切りだなんて限らないこと交差点なんて狭苦しい

考えを捨てて僕は自ら動ける意志も体もあることを心底喜んで

僕は僕を変えられることを知る僕を変えることでなら良い方に

良い方に関係も変わることがあると知る僕は循環を始めようと

夏の真夜中に缶ジュースを買い入れに出掛ける時などに二人と

まだ見ず知らずの世界の誰かと缶ジュースも何もない時なども

誰かと僕とゆうものが奏でる音楽みたいなものがあれば掛けて

二人のもしくは誰かの奏でる音楽みたいなものもあれば聴いて

心通うまで踊りたいと思うミスマッチでもひとときなら踊れる

音楽が鳴り出す前と鳴り終えた後の静けさも生きるのに有益だ

心が通うのは音楽が鳴り響くのは恋とばかりは限らない世界と

宇宙とただの同居人とだってオーケストラになる可能性がある

僕はまず何から始めようかと思うとにかく今から仕事を探そう