君の頬へも、その胸にも
僕の手は透き通ったりしない
僕と空の中に続く三つ目の太陽、に
僕は手を伸ばしている
その事はもう君も知っているでしょう
なのに君は赤くなったりもしないの
君が張り巡らされたその躰じゃない
踏み潰されて美しく羽根を広げるなら
舞い降りる花は幻の丘に咲いているんでしょう
生涯枯れないさ
磨りガラスの窓際に住みはじめて五年が過ぎて
僕の躰には小さな痛みが降り積もっている
微生物が分解する物質のように幼い頃が砕けて
僕の躰では小さな花が咲き乱れはじめている
一つ目の太陽が意味もなく昇り沈みするように
二つ目の太陽も昇り沈み 僕はたかが惑星と思い知る
三つ目の太陽が意味ありげに今は昇りはじめている
水平線を探す途中で地平線を見つけたよ
時計を投げ込んだらそこは浅い海だった
広がる砂漠も流れる氷も風まかせなんだ
どれだけ歩いて巡ってもすべてはやって来る
僕の目にそれが映り僕の手はそれに伸ばされて僕の太陽はそれで燃やされる
空の太陽にはできない事だから君にしかそれもできない事なんだ
大きな牛乳瓶から光が零れている
誰かへ注がれているはずはないの
でもそれは君によく似合っている
指先に届くまでの君は無数の瞬間
三つ目の太陽 僕と空の中に続く
僕と空の中に 続き続けるよ
君の頬へも、その胸にも
僕の手は透き通ったりしない
その事はもう君も知っているでしょう
いつかは枯れるけれど
いつかは枯れるのさ
遠ざかる星が見える君の目の光に似てる
遠ざかる僕が見える君の目に光を見せる
燃え尽きる ほど燃えている から
燃え尽きる まで燃え尽きる から
君も赤くなる、赤い花が咲く
いつかは枯れるけれど
いつかは枯れるのさ
本物の花なら、本当の事なら