こころ

ひとつぶの涙や

ひとひらの花びらに

発光するこころは

フィラメントが

焦げ切れるほどにも

光を雫に丸めた

月明かりのようにも

 

胸の中はきっと

軽く息を吹き込めば

ポッペン

と鳴る薄い七色渦巻く

ビードロで

その中で普段は

眠るように生きる

こころなんです

 

朝日に水を飲み

夕日に火を見て

発光するこころ

 

その命は脆くも

壊れやすくもなく

傷つきやすいだけの

肌のように温かく

複雑な模様で生きる

天使と悪魔の

融合したもの

 

胸の辺りが痛くなるのは

速すぎた光の粒が降り注ぎ

こころも体も発熱しすぎて

焼けてしまったから

なんでしょう

 

 

何かの底や

誰かの不在で

とうとう気づいた眩しい光は

星屑が

集まったようにも

雲間から

零れたようにも

 

胸の中にきっと

強く息を吹き込んで

カリン

と割れて屑と散らばった

ビードロで

その中で普段は

眠るように生きる

こころが覚めたんです

 

直に触れ

あまりの熱さに

もがき苦しむ体中

 

その熱は哀しみ

絶望などでは決してなく

今までぼやけていただけの

傷のように疼く

簡単なリズムで弾む

こころという名の

太陽の種子

 

壊れたつもりの

胸のビードロも

溶かして吹けば新たな模様で

あっけらかんと

なるでしょう

 

こころがいつも見えにくいのは

地球で大気が大切そうに守る僕らと

宇宙で僕らが無意識にでも守るこころが

とても似ていてかけがえないと

信じて止まないから…

なんでしょう