夕日色を、重ねた夢で

あの日たしかに捨てようとして

ごみ屑くらいまるめてしまったもの

消しゴムで消しきれないまばらな線

汚れたはずが真っ白な固まりだった

 

ぽとんと床に落とした

こころのまだ空っぽな場所に

消えてしまえと思い落とした

 

くすって笑った

僕が背中を向けてるすきに

 

音もなく燃えた

僕が振り向いている最中に

夕日色で一瞬

薄っぺらに真っ黒なものが残った

けど僕はそれで満足だったよ

 

まだくすぶってたんだね

一度くらいで消えないように

素敵な思い出なんかが

燃えてたのかもしれないね

 

まだずっと向こうにいるようで

日々のどこかにぽつんと待ってる

半透明の小さなかけらでぽつんと待ってて

気づきさえすれば素敵な真白なものになる

高い場所だったり狭い場所だったり

隠れるように呼んでいる

少しだけ話していたり香りだけしたり

夢見るようにこっちを見ている

そういうものを拾い集めては

ゆっくり歩いて温める

時に走って疲れ果てる

そのための火にして

 

たくさんの人々だって

そうじゃないかな

生きてみるんだろう

 

僕のとっておきの笑顔

僕は知ってるだろうか

僕が知っているなら

他の誰かは知ってるだろうか

 

今日もまた、かけらを見つけた

真白なものに夢を描く

また失敗だ

こころに落として燃やして進む

夕日色を、重ねた夢で

 

燃やして進む