好きなジュースとか

連れ立って歩くのが

まだへたくそだった

人ごみで先頭は僕とか

喫茶店は君が奥とか

肩ぶつけ合い苦笑い

 

桜の木の下は

花びらの落下傘

降り止まないうちに

日が射し込んで

髪が ちょっと赤い髪が

光のすずらんに

なってた

 

君が蝶を追いかけたら

僕は大笑いするよ

涙をあげるからと

懇願するよ

それでも君は

花束持った僕を

真っ正面から 見据えるんだ

 

好きなジュースとか

知らないうちに憶えてた

映画のあとも

コンサートのあとも

君が待たせてるうちに

買っておくんだ

 

今度の日曜日は

お呼ばれに行くけど

そろそろ好きなお酒とか

憶えたい

ジュースの時を参考にして

柑橘系を とりあえず

 

とかく

くだらないことや

がらくたを並べて

できていくんだ

きっと人生なんて

 

微笑みながら見れば

輝くし

突っ伏して泣いてれば

見えないし

 

君の好みも変わるだろうし

僕もずいぶんふざけるし

輝くものの列が 線路になって

いつか機関車なんかも走るだろう

 

朱歩歩歩

朱歩歩歩

朱歩歩歩

歩っ歩

 

連れ立って歩くのは

まだへたくそだ

やがて線路が

世界一周する計画もなく

 

ただ今は

好きなジュースとか

憶えてたいんだ

君が今度の日曜日

くれるもの 分かってるけど

今年は今年で

喜ぶんだ やっぱり

 

好きなジュースとか

そう 好きなジュースとか

奇蹟だよ

そんなこと 知ってるなんて

変わっても その前も

知ってるなんて

 

朱歩歩歩

朱歩歩歩

朱歩歩歩…