キャンディーを詰め込んだ箱を
木陰から連れ出して日だまりで
僕にきらきらしてきれいでしょと言う
君は少し滑稽だけれど
少し滑稽でもいいよ
僕がふいにそれを取り出して
口に入れてしまって
怒ったくせに微笑んでいる
君はとてもきれいだから
優しさってなんだか可笑しくて甘いものなんだねって
信じて疑わずにいられる気がする
キャンディーを詰め込んだ箱を
木陰でもきれいかもしれないと
君にわくわくとして開けてみてと言う
僕は少し滑稽だけれど
少し滑稽でもいいよね
君がふいに消えてしまって
涙が止まらなくなっても
思い出すたび幸せだったと
信じて疑わずにいられる気はする
そう僕は星空を見つけると
ぽつり君を想うようになった
いつかは僕のためだったけど
今はもう誰のためか分からなくなった
僕のために私を想ってと言う
君はやっぱり少し滑稽だけれど
少し滑稽でもいいよ
いずれ僕も
君のために僕を想ってと
言ってしまうだろうと思うんだ
優しさがなにか分からず
優しさをもらっている気はするのが可笑しいね
なぜ想うのかをとうとう分からず
このままいれたら可笑しいね
木陰で開けた箱の中身は
いつも空っぽだったけど
誰も知らないその箱が
とっても重くて大きくて
ふたりであくせく抱えているのが
少し滑稽なんだけど
少し滑稽でもいいよ
箱の中身を語り合い
ふたりでキャンディーほおばる姿は
もっと滑稽なんだけど
いくら滑稽でも平気だね
滑稽にきっと少しもとてももないからね
でも共通点の強がりは
いつも少し滑稽だから
少し滑稽でもいいよって言うよ
少し滑稽でもいいよ
いつでもいつまでも
そう
少し滑稽でもいいよ