誰かの言葉
信じましたか
例えば昨日
なんなら今日
僕の言葉
信じられますか
僕はあなたのこと
好きでも嫌いでもないけど
裏切られたら…
それも未来の話
明日の隣りにでも置いて
涙 拭いて
今夜 おやすみ
蹴られて落ちたら
上らなくっちゃ
夕日が落ちたら
眠らなくっちゃ
電話線外して
目覚ましかけて
誰かの行動
見ていましたか
例えば駅で
なんなら道で
僕の行動
見てくれますか
僕はあなたのこと
これっぽっちも知らないけど
何気ない日々…
それも未来へ続く
明日の階段 少しだけ
高い けれど
今夜 おやすみ
寂しくなったら
行かなくっちゃ
ベルが鳴ったら
起きなくっちゃ
電話線繋いで
目覚まし止めて
それができりゃ
苦労しないって
たしか言ったっけ
それができなけりゃ
苦労しなきゃって
言い返されたっけ
酔っちゃって
捨てられて
駅へ続く地下道って
少し暖かいって
この冬初めて知った
生活費数十円を
稼ぎに行くおっちゃんが
新聞紙置いてった
毎年いちばん寒い日に
春になる
これ以上寒くならないから
春になるんだって
構内トイレの洗面所
黒く引きずられた 昨日のニュース
腫れぼったい目から 紫色の唇へ
顔を洗う うがいする
それでも水は 冷たいんだな
髪を濡らして 撫でてやる
咳をする 泣いている
僕は寒くて眠れなかった
春になる日
僕は死んでる 人を見た
ホームのベンチ
僕の震えは やがて止まった
始発の車窓
屋根一面の雪を見た
電話線なんて 古臭いよ
携帯電話の電源を入れる
僕はモーニングコールの彼女の声に
雪の話をするだろう
春になる日が いちばん寒いと
馬鹿みたいに 繰り返すだろう