今夜、雨上がり

君の見つけた満月を

 

こんなにも大切にして

 

夜空が湛えている

 

 

きれいな輪郭でなくていい

 

ずっと先の方でも

 

ぶれず君に届く思いで

 

躊躇しながらの

 

一歩を踏んで行く

 

軌道修正しながらの

 

試行錯誤しながらの

 

 

たった五分のことだけど

 

それが出来ない

 

眠る前好きな歌を無心で聴く

 

生まれる優しさ

 

あの絵葉書に住所を書き込む

 

たったの一言

 

見えなくなるまで見送る後ろ姿

 

振られる手と手

 

 

聞き流してしまっていたことの

 

雨を浴びて

 

今夜、雨上がり

 

君の見つけた大きな満月を

 

見上げながら帰る

 

特急電車で

 

別れの痛さ

 

また会える日の

 

待ち遠しさ

 

眠りに溶けず

 

 

あまりの瞬間