光彩

欠けた月にかかった

 

淡い虹の輪

 

乾いた目で見上げる

 

 

ちっぽけな

 

この歩幅

 

今夜は空も虹までも

 

 

混んでいる急行を

 

やり過ごし

 

鈍行に乗ることにした

 

いつもより

 

少し早い帰り道

 

夏の尾は夕暮れの風

 

その風の吹く

 

プラットホームのベンチでしばし

 

待ちぼうけして

 

 

何に応えるようにして

 

僕はがんばろうと思いながら

 

毎日を行き来するのだろう

 

揺れる黄昏

 

 

けれど今

 

 

君との思い出を透かしてみて

 

見える未来は

 

闇であるからこそ光をちりばめていて

 

僕に一歩を踏み出させる

 

 

ちっぽけでも

 

 

 

僕のがんばりが少し形になり

 

君が泣きながら受け取ってくれた

 

あれらの光彩を誇りに思い

 

 

懲りず光を信じ

 

 

そして一歩