夜は寝てしまう

線香花火の夕日が落ちかけている

 

ゆきたい場所はまだ遠い気がするけれど

 

一日の終わり

 

 

凍らせておいたゆうべの水をグラスに置いて

 

透明な強いお酒とジンジャーエール

 

借りて来た映画も見終える頃

 

 

君はもう眠ってしまっているだろう

 

聴きたい声を諦めながら

 

何もかも忘れてしまった風に寝転がり

 

 

夜は寝てしまう

 

大きな荷物を傍らに

 

小さな祈りを枕にし

 

 

おやすみなさい

 

 

僕と君のいなくなっても

 

また

 

明日の夜のありますよう

 

 

明け方の匂い