冷たい水道水で口を漱ぐ
湯沸かしが壊れていて
冬の朝なのに
土曜日の診察時間の後
自宅に自転車と薬を置くと
陽気に誘われて
散歩に出掛けました
川原の瓦礫に寝そべる
瞼越しに雲を見る
春の匂いはまだ彼方
風がうなる
リンパ腺の腫れが気になるなあ
欠伸をするとひどく痛むから
つい指先でなぞってしまう
水風船のような重みが癖になる
春が待ち遠しいなあ
春が 待ち遠しい
目を開けると
眩しい青い空と淡く黄色いさかさまの鉄塔
もうはや夕日に照らされて
さようならなにもかにもなんて でも
捨て切れないな 僕は 僕は
鳶が回ってる
烏が飛んで行く
光を掻き混ぜて
光を引き連れて