ふゆのみずうみ

みずうみのほとりのさんばし

てぶくろをつないでさんぽみち

ふゆのかぜにさからってえがお

 

わからないことのほうが

おおいまま

ぼくらはいきてゆく

 

えがおをせかいに

かえしながら

とけあいながら

 

はだかのきみをうでのなか

かみがふれてこそばゆいほお

たいおんのぬくもりだけでぬぐうなみだ

 

とめられないもののほうが

ずっとおおいまま

ぼくらはいきてゆく

 

なみだをせかいに

かえしながら

とけあいながら

 

こおったみなもににぶくながれた

しろいくも

みあげればせんめいなあお

 

すいへいせんにていはくしたきゃくせん

さんらんしたひかりたちがねむりについたころ

ぼくらはのりこむ

たびだちのけむりがのぼる

 

きみのむねのじょうげにあわせるように

またたくほしかげ

すれちがうちいさなしまじまに

まなざしのあかり

 

きっとわすれないだろう

いろのないガラスをはさんで

だれにてをふることもなく

ぼくらがいき

せかいがまわること

 

いとおしいものの

そらやうみにとけたひかりのように

はかなくうつくしいことを