あたためようと
くるみ
ふさがって
もうつかめない
やさしさ
このゆびはじゅっぽんしかなくて
へることが あってさえ
ふえることはない
ふとんにもぐり
ねむるきみのおなかに
ちいさくまるめた
ゆびをあて
みみをすます
やがて こここ と
でんぐりがえるちいさなまるみ
ひざか ひじか ゆびだったのか
ぼくのこの
ゆびのあいださえ
うまれたものなのだ
そのときそそいでもらった
いっしんのあいにふちどられ
それはいまも むげんのはてまで
ひろがっている
もういちど
やさしさ
このてのひらのあまるくらいの
まだみぬ みどりごをみつめて
めいっぱいに
ひろげてみる ゆびのあいだ