はじめてのクリスマス

明日一日くらい

体調を崩してもいいから

今夜は少し

夜更かしして

 

はじめてクリスマスを迎える

あの子への

クリスマスプレゼントに

腕を組み

 

出会った頃にも君に

そうしたように

ささやかなものを

いつまでもと

眉をしかめ

 

こころの土をたゆまず耕す

世界があらゆる種子を蒔くから

次は休まず水をやる

本当はたまに休んでいいから

忘れ去らないようにして

そしてせわしい日々のなか

何度も雨風に打たれるだろう

忘れた方がいい日もある

それでも朝は来る

太陽は昇るから

生き延びて咲いた花は

たとえどんなにいびつでも

愛せる人になるようにと

天を仰ぐ

僕や君は

あの子のはじめての世界だから

いい種子を

蒔いてあげたいと

ため息をつく

 

夜は更ける

日付が変わる

けれども

変わらないものもある

 

誰も

最後には目を閉じる

それでさえ

眠りにつかないものがある

 

トナカイの雪車にひかれて

鈴を鳴らして

サンタクロースがやって来る

真っ白な袋に

色とりどりの願いを詰めて

 

僕も眠る

君も眠る

もちろんあの子も

ぐっすり眠る

その夜を